内観法について

内観法は、その名前から察しが付くかも知れませんが

仏教の修行法がベースになっています。

 

しかし、宗教色は取り除かれ、シンプルな形式をとりますので
子どもから大人、ご高齢の方まで誰もが取り組むことのできる
自己観察法・自己発見法として知られています。

 


内観法(内観療法)は、森田療法と並ぶ日本発祥の精神療法です。

吉本伊信によって創設され、そのベースには「他者から生かされている」
という浄土真宗の教えがあります。

 

「内観が宗教がらみではないか」という内容のネット上の記事を見かけますが

ベースになったものが仏教(浄土真宗)の修行法であったため、関連する言葉も出て来て

当然と言えば当然かもしれません。

 

しかし、吉本伊信が世に広めようと考え、一般の方でも手軽にできるように簡略化して
余計な厳しさや宗教色を取り除いたものが、現在の内観法・内観療法です。

 

研修所という名前の所で、自己啓発や人間関係の修復の為に取り組んだり

病院や診療所で、うつ病や依存症の回復の為に取り組む事例がたくさんあります。

 

小難しく書きましたが・・・

「内観法って何ですか?」と問われると、

その答えは、「みっつのテーマに沿って、過去を振り返る作業」と

創始者の吉本先生もお応えになったと言われています。

 

内観の一般的なやり方は、身近な人物との出来事を、年を追って思い出すこと。
お父さん、お母さん、兄弟姉妹、配偶者の他に、友人や学校の先生、職場の同僚や上司などなど。
人物をひとり特定して、その人との出来事を思い出すことを繰り返します。

 

そして、ポイントとなる「みっつのテーマ」は、
 ・してもらったこと(お世話になったこと)
 ・して返したこと
 ・迷惑をかけたこと  のみっつです。

 

この時、思い出しながら受ける自分の感情は、ひとまず脇へ置いて、

具体的なエピソードだけを追いかけていきます。
「事実だけ」「出来事だけ」を振り返って、

客観的に相手を見て、同時に、自分自身を見つめ直すことになります。

 

内観としては、この作業を繰り返していくだけです。

宗教がらみといわれるのは、体験をされた方の感想に「感謝」「反省」といった

文字が見られることが挙げられると思いますが

吉本先生曰く、感謝や反省は感情として湧きあがるかも知れないけど目的は違う。とのこと。

 

内観を行う過程で、頭の中の情報が整理され、

結果として心に良い作用が見られるということで、

心理療法として「利用されている」訳です。

 

感謝や反省も、心理的な作用も結果的でしかなく・・・

振り返ってみることに意味があるし、

感情的になった出来事も別の見方があったかもと気づくことに意味がある。

 

内観の目的は「より良く生きる」と壮大です。

「どうしようもない状況の中でも笑って居られるように」と話されているので

ここまで来ると思想・宗教にもなるのかなと思ってみたりもします。

 

とはいえ、振り返る作業をする「だけ」で

視野の広さ、思考の深さ、人間の幅みたいなのが大きくなる「結果」が

得られているのは注目したいですし、おすすめしたいと思う訳です。

 

毎日を懸命に生きていると振り返る余裕なんてないのが本当だと思います。

自分はこれまで正しく生きてきたとみんな思っているハズですね。

 

それを、ちょっと整理してみる。

たくさんの経験を持っているので、より幅を広げる材料がそろった所で

整理をしてみるというのは、とても意義があることではないでしょうか。

 


菜のはなの内観法の狙い。

では、内観によって何を知っていただきたいのか。

その狙いについて、平たい言葉で書いてみます。

 

通常、人は自分の感情や主観で周囲を見ています。
ある人は、自分の考えや感情は正当なものと考えています。
またある人は、自分の考えや感情は良くないものと考えています。

 

文章にしてみると、偏って見えますが「通常」です。

特に過去において若く未熟(といえるような)視点や思考で
周囲をみていたという方が大半ではないでしょうか。

 

事実を自分にとって都合よく捉えたり
逆に、悪い方悪い方へ受け止めて過ごしていると、どうでしょう。
人間関係の悪化を招いたり、生きにくくなってしまいますね。
時には他人を恨んだり

時には他人の評価ばかり気にして苦しい思いをします。

 

問題を解決することや、それ以前に心と感情を安定させるには
客観的に自分自身を捉えることが必要です。


その時、過去の自分を練習台とすると、とても実感がわきやすいのではないでしょうか。

 

自分のことを客観的に見る目、事実をありのままに見る目を養うと
感情に支配されていたために見えなかったものが、見えるようになり
文字通り、視野が広がって、新しい発見をすることが出来るようになります。

 

過去の感情は、その出来事が起きた時の状況に左右されている場合もあります。
つまりは、体調や立場、焦り具合、そして経験などによっても違って当然と言えます。

 

例として分かりやすいのは、親になって初めて気づくものがあると言うもの。

これにより、時には、それまでのわだかまりが解消されたり
時には、自分自身を受入れることが出来て、コンプレックスから解放されたりもするのです。

 

内観法、内観療法は体験者の声からは、解消や解放という言葉が聞かれますが
それは、主観から客観へ視点が移ったことで、

日常活用される思考そのものにも、良い効果があるのではないかと、今も研究が進んでいます。

 

ただ注意点がひとつ・・・。
菜のはなの提供する「内観」は「医療行為」ではございません。

医師の指導のもと行われる内観療法とは違います。

 

内観が出来る場の多くが「研修所」と名前がついているように

ご自身の内側・内面(心)を深く深く、見つめていくことで

「ご自身が抱えている問題を、ご自分の力で癒すための方法を知る研修」です。

 

菜のはなの内観は「心の安定と健康」「自己啓発」の位置づけですので、

治療目的には行えないことをご理解ください。

それでも、やっぱり良いものなので、生きる知恵のひとつとしておススメをしています。

 

お読みいただいてありがとうございます。


内観法の研修と体験 菜のはな 代表 岩田圭司

【営業時間】10:00~19:00 【定休日】毎週火曜日(不定休あり)

Mail : nanohana_naikan@yahoo.co.jp

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